5分で読む! 宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』

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『銀河鉄道の夜』のあらすじ

 主人公のジョバンニは、病気のお母さんとふたりで暮らしていました。ジョバンニはお母さんを支えるため、印刷所で働いたり牛乳を取りに行ったりと、幼いながらも一生懸命に働いています。そんな彼には、カムパネルラという親友がいました。カムパネルラはとてもやさしく、ジョバンニのことをいつも気にかけてくれる大切な親友です。

 町で「銀河のお祭」が行われていた夜、ジョバンニはひとり、丘の上で夜空を見上げていました。すると突然、「銀河ステーション」というふしぎな声が聞こえ、眼の前がさあっと明るくなります。気がつくと、ジョバンニは銀河鉄道という不思議な列車の中に乗っていました。そして、隣にはカムパネルラが座っていたのです。

 銀河鉄道は星空を走っていきます。ふたりは車窓から美しい星空や風景を眺めながら、さまざまな乗客と出会いました。鳥を捕る人、沈没船の乗客、蠍(さそり)の火の話をする女の子など、みんなが不思議な話を聞かせてくれます。
 銀河鉄道で旅をする中で、ジョバンニは「ほんとうの幸せとは何か」を考えるようになります。ある乗客は、「ほんとうの幸せとは、自分のことばかり考えず、みんなのためにつくすことだ」と語ります。その言葉は、ジョバンニの心に強く残りました。

 銀河鉄道の旅が終わりに近づくころ、カムパネルラは列車から姿を消してしまいました。ジョバンニはひとり現実の世界で目を覚まします。
 ジョバンニが町に戻ると、カムパネルラが川で友だちを助けようとして命を落としたことを知らされました。

 ジョバンニは悲しみの中で、「ほんとうの幸せ」とは何かを深く考えます。そして、カムパネルラのように、誰かのために行動することこそが本当の幸せなのだと気づきました。そして、ジョバンニは涙をこらえながら、しっかりと前を向いて歩き出します。彼は、悲しみの中でも希望を見つけることができました。

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